スピニングリールのドラグとは?
魚とのファイト中にラインが急激に出る際の抵抗力を制御する機構のことです。
この抵抗力が強すぎるとラインが切れてしまい、弱すぎると魚に主導権を奪われ、バラシにつながります。
ドラグ性能の鍵を握っているのが、スプール内部に組み込まれているドラグワッシャーです。
フェルトやカーボンなどの素材で作られたこのワッシャーが、圧縮される際の摩擦力によってラインの放出抵抗を生み出しています。
このパーツは消耗品であるため、日頃からメンテナンスを怠ると、リールの心臓部であるドラグの効きが不安定になり、いざというときに魚を取り逃がす原因となります。
メンテナンスのサインを見逃さないチェック項目
ドラグワッシャーの性能低下は、見た目では分かりにくいことが多いため、以下の具体的なサインが見られたら、メンテナンスや交換を検討するタイミングです。
ドラグノブを締めても抵抗が一定しない
ドラグノブを最大まで締めても、ラインが滑るように出てしまう場合や、スムーズに出ずに「カクカク」と抵抗にムラが出る症状が表れたら、ワッシャーがオイル切れを起こしているか、摩耗して厚みが減っているサインです。
特に、ファイト中にドラグ設定が勝手に変わってしまうような感触があれば、早急な点検が必要です。
異音や異臭が発生する
ドラグが作動したときに、「キーキー」といった摩擦音ではない不自然な異音が聞こえる、摩擦熱によって焦げたような異臭がするといった場合は、ワッシャーが限界を超えて劣化している可能性大です。
この状態を放置すると、スプール本体や他の部品にもダメージが及ぶ可能性があります。
雨や潮水を浴びたまま放置した
リールを雨や潮水に濡らしたにもかかわらず、すぐにドラグノブを緩めて内部を乾燥させなかった場合、ワッシャーに水が浸透して素材が劣化し、性能が大きく低下します。
ワッシャーが水分を吸って膨張すると、抵抗力にムラが生じやすくなります。
ドラグワッシャーの交換・清掃手順
ドラグワッシャーのメンテナンスは自分で簡単に行えるので、ぜひ試してみてください。
分解と清掃
まず、スプールを取り外し、ドラグノブを緩めて内部のワッシャー類をすべて取り出します。
フェルト製のワッシャーの場合は、パーツクリーナーなどは使わず、乾いた布で表面の汚れや古いグリスを優しく拭き取ります。ワッシャーの順序を間違えないよう、並べて作業しましょう。
グリスの塗布と組み付け
清掃後、ドラグワッシャー専用のグリス(高性能なものほど均一な抵抗を生みやすい)を、ワッシャー全体に薄くムラなく塗布します。
特にフェルトワッシャーはグリスを浸透させるように揉み込むのがコツです。
グリスが多すぎるとドラグ力が低下するため、適量を心がけてください。
最後に、ワッシャーと金属製の座金の順番を間違えないよう慎重にスプールに組み付け直せば、ドラグ性能が劇的に回復します。
今回ご紹介したサインが表れた場合は、メンテナンスや交換の時期なので、ぜひご自身でやってみることをおすすめしますよ。
